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自律神経を味方にする暮らし方



5月も半ばを過ぎ、日中の気温もぐっと上がってきましたね。寒さの厳しい季節が終わり、過ごしやすくなった今、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

私はというと、今年初めての連休をいただき、岐阜県のパワースポットを巡る旅に出かけてきました。普段はなかなか連休をとることができないため、今回の旅は「心と体を見つめ直す時間」の大切さを改めて感じる貴重なひとときとなりました。

この体験を通して気づいたのは、「日々の忙しさの中で、自分の心や体の状態に目を向けることの大切さ」です。今回はそんな気づきをテーマに、「自律神経」についてお話ししたいと思います。


 目次


1. 自律神経とは


「自律神経」という言葉、聞いたことはあるけれど、具体的にどんな役割をしているのか?と聞かれると、なかなかピンとこない方も多いかもしれません。

簡単に言えば、自律神経は“私たちが意識しなくても働いてくれている神経”のことです。


例えば、心臓が自然に動いていたり、呼吸をしていたり、汗をかいて体温を調整したり…。これらはすべて、自律神経の働きによるものです。筋トレやストレッチで「ここを意識しましょう」と言うときに使うのは“体性神経”という神経ですが、自律神経はその対極で、意識とは無関係に私たちの命を支えてくれています。


2. 自律神経と日常生活


自律神経は大きく分けて以下の2種類があります。


  • 交感神経(アクセル神経):体を興奮状態にして、活動的に動けるようにする神経

  • 副交感神経(ブレーキ神経):体をリラックスさせ、回復や休息の状態に導く神経


私たちの生活の中では、この交感神経と副交感神経がまるでシーソーのようにバランスをとりながら働いています。


【交感神経が優位になる例】 ・朝起きてから活動モードに切り替わるとき ・仕事や運動をしているとき ・緊張する場面(プレゼンや試合など)


【副交感神経が優位になる例】 ・夜の入浴後や眠る前のリラックスタイム ・自然の中を散歩しているとき ・深呼吸や瞑想をしているとき


交感神経だけが強くなりすぎると、常に緊張状態になって疲れてしまいます。一方で副交感神経ばかりが優位になっていると、やる気が出にくくなることも。

理想は、「アクセルも踏めるし、ブレーキもかけられる」状態。つまり、バランスよく自律神経が働いている状態を目指すことが、健やかな毎日につながっていきます。



3.  副交感神経が良いわけではない


よく「リラックス=副交感神経が優位だから良いこと」というイメージを持たれることがありますが、実は副交感神経が強ければいいというわけではありません

確かに、現代人はストレスや忙しさで交感神経が過剰に働いている傾向にあり、副交感神経を高めることが求められる場面も多いです。ただし、副交感神経が過剰になりすぎると、今度は「気力が出ない」「朝起きるのがつらい」など、低刺激の無気力な状態に偏ってしまうことも。

大切なのは、その時々のライフスタイルや体調に応じて、どちらの神経も適切にスイッチが入る状態を作ることなのです。



4. ポリヴェーガル理論的な見方


「ポリヴェーガル理論」という、自律神経の新しい考え方をご存じでしょうか?

この理論では、副交感神経のひとつである“迷走神経”をさらに2つに分けて考えます。

  • 腹側迷走神経:他者と安心してつながり合うときに働く神経。 例)友人との会話、ペットとの触れ合い、心地よい音楽

  • 背側迷走神経:極度のストレス状態のあとに現れる“シャットダウン”のような反応。 例)やる気が出ない、何もしたくない、感情がフラットになる

たとえば、犬に例えると…・元気で飼い主にしっぽを振っている犬=腹側迷走神経が働いている状態・恐怖で動けなくなり固まってしまった犬=背側迷走神経が強く働いている状態

このように、同じ「副交感神経」といっても、心の状態によって働く部位や反応が異なるというのがポリヴェーガル理論の面白いところです。


5. 自律神経を整えるためにできること

自律神経のバランスが崩れた状態を「自律神経失調症」と呼びます。主な原因は、慢性的なストレス・人間関係・過労・睡眠不足など、心と体への負荷です。

また、最近よく聞く「副腎疲労」という言葉もありますが、実際には副腎そのものが物理的に疲弊するというより、ホルモンや神経伝達物質の乱れによって、ストレスに適応できなくなっている状態と考えられています。

女性の更年期もまた、自律神経やホルモンバランスの揺らぎが生じやすく、「原因がはっきりしない不調」として現れやすい時期でもあります。

また、ボディメイクの観点では、以下の要因も自律神経の乱れにつながる可能性があります。

  • 低栄養・低血糖状態

  • 酸化ストレス(添加物や加工食品など)

  • 慢性炎症・筋肉痛の蓄積



6. 自律神経を整えるためにできること


現代社会において、自律神経を完全に乱さずに生活することは難しいかもしれません。ですが、「整える工夫」は今日からでも少しずつ始めることができます。

ポイントは以下の3つです。

● 食事

バランスの取れた栄養摂取を意識し、血糖値の乱高下を避ける食事(高タンパク・低GIなど)を心がけましょう。

● 運動

過度な運動はかえって交感神経を刺激しすぎることも。日常の中での軽いウォーキングやストレッチなど、「心地よい」と感じる運動から始めてみてください。

● 睡眠

睡眠は自律神経のリセットタイム。できるだけ同じ時間に就寝・起床し、質の良い眠りを確保することが大切です。




7. おわりに


今回の旅を通して、自然の中で心を落ち着ける時間がいかに自分を整えてくれるかを改めて実感しました。忙しい毎日の中でも、自分自身の“今”の状態に耳を傾け、必要なケアを少しずつ取り入れていくことが、自律神経を整え、健やかな心身を育む第一歩になります。


皆さんも、ぜひご自身のペースで「整える暮らし」を始めてみてくださいね。

 
 
 

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