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脳のセルフコントロール

更新日:3 日前

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皆様こんにちは。今年も残すところあと1か月となりましたね。冷たい空気の中に、年末特有の静けさや深呼吸したくなるような落ち着きを感じる季節になりました。

先週は、富山県看護連盟(上市・魚津・黒部支部)の皆様へ「心と体を守る呼吸とストレッチ 〜働く看護師に届けたい〜」というテーマで講演をさせていただきました。

後日いただいたアンケートでは、温かいお声を本当にたくさん頂き、お一人おひとりの言葉が心にすっと染み込むようでした。改めて、素晴らしい機会をいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。


そして、この講演以外でも、今年一年、多くの方の身体と向き合う中で、私自身の中に強く残っているテーマがあります。それが 「脳と健康の関係」 です。


このテーマをより深く意識するきっかけになったのが、今年5月に参加した、私が長年尊敬している方のセミナーでした。

そのセミナーでは、いま私たちの周りは、これまでにないほど便利になったという時代背景から話が始まりました。


移動の負担も、情報を探す手間も、考える必要さえも大幅に減り、気づけば「動かなくても生活できる」「考えなくても選べる」環境が整っている。これは恵まれたことである一方、身体を使わないまま過ごせる時代は、脳の働きにも影響を及ぼすという視点が強く印象に残りました。


つまり、これからの時代は「脳とどう向き合うか」が健康を左右する。その言葉が心に深く刺さったのです。

実際、SUN FITでお客様の身体をサポートしていると、姿勢・疲労・睡眠・食欲・気分・やる気その全てに脳の状態が密接に関わっていることを日々実感します。

今回のブログでは、そんな経験と学びの中で感じた 「脳のセルフコントロール」 について、まとめてみました。ぜひ最後までご覧下さい。

 目次



1.脳のセルフコントロールとは何か


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「やるべきことを、やると決めた通りに実行する力」。これが、脳のセルフコントロール(自己制御)です。


近年の研究では、健康習慣・食習慣・睡眠・ストレス管理・仕事のパフォーマンスなど、あらゆる場面で自己制御能力が成功の土台になると示されています。


しかし多くの方は、「続けたいのに続かない」「やらない方がいいと分かっているのに、やってしまう」というジレンマを抱えています。


大事なのは、意思が弱いからではないということ。脳はそもそも、目の前の誘惑に流されやすく、長期的な利益を後回しにしがちな構造を持っています。


だからこそ、脳を理解し、仕組みを整えてあげることが大切なのです。



2.コントロールできない脳が生まれる理由


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現代人は、気づかないうちに自己制御力を削る生活をしています。例えば、


● 睡眠不足

脳の判断力や抑制力を司る前頭前皮質は、睡眠不足に最も弱い部位のひとつ。睡眠が足りないだけで、セルフコントロール能力は簡単に落ちます。


● 血糖値の乱高下

空腹や甘いもののドカ食いは、脳を『エネルギー不足』と『興奮状態』に揺さぶり、理性が働きにくくなります。


● ストレス過多

強いストレスは脳の報酬系を刺激し、「楽な方へ逃げたい」「目の前の快楽に流される」という行動パターンを作りやすくなります。


● 情報過多による脳の疲労

SNS・広告・通知。脳は常に判断を迫られ、知らず知らずのうちに疲弊している状態になります。


このように、現代の生活はセルフコントロール力を奪う環境になりやすいのです。



3.前頭前皮質と報酬系、自己制御のメカニズム


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セルフコントロールは、脳の中の2つのシステムの戦いです。


前頭前皮質(理性)

  • 判断力

  • 計画性

  • 我慢する力

  • 長期的な目標のために行動する力


    「今日は疲れてるけど、未来の自分のためにトレーニングへ行こう」と決めるのはここ。


報酬系(本能)

  • 食欲

  • スマホ依存

  • だらけたい

  • 楽な方に流れたい


甘いものを食べたくなったり、SNSを無意識に開くのはここ。

セルフコントロールとは、前頭前皮質が報酬系に負けずにハンドルを握り続ける力です。

そしてこの力は、筋肉と同じでトレーニングすれば伸びます。



4.習慣が続く人の脳の使い方


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続く人と続かない人の差は、才能ではありません。脳の仕組みを味方につけているかどうかです。


① 行動までのステップを小さくする

脳は「小さな成功」で活性化します。5分のストレッチ、1分の片付け…とにかく最小で始める。


② 決断の回数を減らす

決める回数が多いほど脳は疲れます。ウェアの準備、食材のストック、寝る時間を固定するなど、環境設計が大切。


③ やる気ではなく仕組みで動く

やる気は波があります。習慣が続く人は、気分に依存しない仕組みを持っています。


④ 成功体験を記録して脳に定着させる

小さな達成が積み重なると、脳は「自分はできる」と学習します。



5. 今日からできるセルフコントロール強化法


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① 睡眠を最優先にする

脳のコンディションは睡眠で決まります。まずは寝る時間だけ固定するところから始めましょう。


② 血糖値が安定する食事

  • 朝にタンパク質

  • よく噛む

  • 甘いものは「食後」に回すこれだけでも集中力や判断力が変わります。


③ 誘惑を遠ざける環境作り

スマホを別室に置く、間食を買い置きしない。これは意思ではなく環境の力を使う方法です。


④ 脳にできる体験を積ませる

できた日はカレンダーに丸をつける。目に見える成果は脳を強化します。


6. 最後に


1年を振り返ると、気持ちが忙しくなる時期でもありますが、ふと足を止めてみると、私たちの脳は意外にも静かに、穏やかに、「今年もよくがんばったね」と言ってくれている気がします。


脳は、記憶を積み重ねる臓器でありながら、未来を想像して身体の動きを変えていく、不思議な存在です。そしてその未来の色を決めるのは、大きな出来事よりも、毎日の小さな選択や習慣なのだと、改めて感じます。


2025年、SUN FITに足を運んでくださった皆様、健康に目を向け、体を大切に扱おうとするその姿勢に、私たちはたくさんの力をいただきました。


日々の応援、温かい言葉、セッションで見せてくださる真剣な表情や笑顔、その一つひとつが、私たちの一年を支えてくれました。


そして何より、皆様と一緒に、この日本で身体と脳を整える時間を共有できたことに、深く、心から感謝しています。


来年も、「ココロとカラダ」この2つを軸に、皆様の毎日を支える存在でいられるよう努めてまいります。


2025年、本当にありがとうございました。2026年もどうかよろしくお願いいたします。

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